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  1. 東京都議会 1996-09-04
    1996-09-04 平成8年経済・港湾委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時五分開議 ◯望月委員長 ただいまから経済・港湾委員会を開会いたします。  本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、中央卸売市場、労働経済局の順に請願陳情の審査を行います。よろしくお願いいたします。  この際、あらかじめお断り申し上げます。  本日審査いたします請願陳情に対する理事者の説明は、お手元配布の請願・陳情審査表をもってかえたいと思います。  なお、朗読は省略いたしますので、ご了承を願います。  これより中央卸売市場関係に入ります。  初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員に交代がありましたので、局長より紹介があります。 ◯番所中央卸売市場長 去る七月十六日付の人事異動に伴いまして、当市場の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介申し上げます。  業務部長の町田耕二君でございます。それから、向かってその右側でございますけれども、山田博久調整担当部長でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。    〔理事者あいさつ◯望月委員長 紹介は終わりました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、陳情の審査を行います。  初めに、五第八七号、卸売市場における「先取り」取引の是正に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 五第八七号 卸売市場における「先取り」取引の是正に関する陳情 陳情者 東村山市     多摩湖第一自治会会長 矢野穂積外八十七人 〔要旨〕
      卸売市場での卸売について、次のことを実現していただきたい。   1 卸売市場法第三十四条に基づく「せり売」、「入札」の原則を厳格に適用し、例外品目を除き、いわゆる「先取り」取引を禁止すること。   2 前項の「先取り」取引を排除するため、その監視体制を強化すること。 〔現在の状況〕   1 青果部における販売開始時刻以前の卸売(いわゆる先取り)は、卸売市場法の規定に基づき、東京都中央卸売市場条例第五十八条で認められた取引方法である。この適切な運用を図るため、許可要綱及び実施要領で販売対象者・取引数量等について具体的手続きを定め実施してきた。     なお、市場における卸売価格は、全体的な需要と供給の関係において形成されるものであり、いわゆる先取りが価格高騰に直接的につながるものではない。   2 近年の取引は、地方への転送や量販店・外食産業等販売開始時刻以前に物品を必要とする需要が増加し、当日の入荷数量の三〇%以内での調整を原則とすることが困難な状況となった。   3 このため、流通環境の変化に対応しかつ取引の明確化を図るため、かねて検討を重ねてきたところであるが、農林水産省の通達をふまえ、平成七年四月一日から、前日申込による許可方式の導入と新しい予約相対取引を柱とする取引の改善策を実施したところである。   4 いわゆる先取りの監視体制については、日常の取引業務指導の中で取引に関する要綱等の遵守を指導している。また、深夜から早朝にかけて現場取引業務の査察を実施し、これに基づき指導監督を行っている。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第八七号は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、五第二三一号、中央卸売市場築地市場再整備計画の見直しに関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 五第二三一号 中央卸売市場築地市場再整備計画の見直しに関する陳情 陳情者 中央区     明日の市場を考える会代表幹事会長 山口牛信外九人 〔要旨〕   築地市場の再整備計画は、条件的に不可能であり、市場存続の見通しが不十分なため、速やかに見直しをしていただきたい。 〔現在の状況〕   1 昭和六十一年一月、東京都卸売市場整備計画に基づき、その具体化を図るべく東京都首脳部会議を開催し、築地市場の現在地での再整備を決定した。     その後、昭和六十三年十一月に築地市場再整備基本計画を決定し、平成二年六月に基本設計を策定した。   2 平成二年度末から棟別の実施設計〔市場棟・事務所棟・駐車場棟(2)他〕に着手し、これまでに、正門仮設駐車場建設・仮設卸売場〔C棟・B棟・A1・2棟〕建設・築地川本川仮設搬出入路設置・仮設関連事業者店舗等の仮設工事及び築地川東支川埋立工事を終了した。     また、平成七年十二月に本格工事である駐車場棟(2)の建設が完了した。   3 平成八年四月、東京都卸売市場審議会から知事に対して、第六次東京都卸売市場整備基本方針が答申され、この中で、築地市場再整備については「工期の短縮及び建設コストの縮減を図り、基幹市場としての機能を維持していくため、流通環境の変化に対応した、より効率的で使いやすい市場とする視点から、当該市場整備にかかる現行基本計画の見直しを行う必要がある」とされた。     現在、この答申を踏まえて計画の見直しを行っている。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯丸茂委員 築地市場の再整備計画については、現在、市場審議会で現行基本計画の見直しを、都の答申を踏まえて検討している経過もありますし、この陳情にあります晴海埠頭の跡地に新市場の創設という点では、市場関係者の合意が得られていないということからも、採択できないという意見です。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。  本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第二三一号は不採択と決定いたしました。  以上で中央卸売市場関係を終わります。      ━━━━━━━━━━ ◯望月委員長 これより労働経済局関係に入ります。  初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員に交代がありましたので、局長より紹介があります。 ◯坂庭労働経済局長 去る七月十六日付の人事異動によりまして、当局幹部職員に交代がございましたので、ご紹介申し上げます。  総務部長の安樂進君でございます。労政部長の小畑憲司君でございます。家内労働対策担当部長の熊倉慧君でございます。高齢者対策室長の樋口斎男君でございます。職業能力開発部長の岩城繁典君でございます。商工計画部長の鎌形満征君でございます。商工振興部長の長谷川榮一君でございます。農林水産部長の小林辰男君でございます。同和対策を担当いたします参事の松岡勝彦君でございます。農林漁業技術改善を担当いたします参事の山田尚良君でございます。最後に、本委員会との連絡に当たらせていただきます企画調査課長の小林一夫君でございます。  以上でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。    〔理事者あいさつ◯望月委員長 紹介は終わりました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、請願陳情の審査を行います。  初めに、五第二二五号の五、臨海副都心開発計画の凍結等に関する請願を議題といたします。      ………………………………… 五第二二五号の五 臨海副都心開発計画の凍結等に関する請願 請願者 世田谷区     佐竹知之外七百七十八人 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   3 平成六年度の臨海部予算は、次のことに使うこと。    (5)中小企業者に対して金利率年一%の不況対策緊急融資を実施すること。 〔現在の状況〕   3(5)について    臨海部予算を中小企業の不況対策緊急融資の財源とすることは、もとより当局の所管に属さないことではあるが、都においては、中小企業者の経営の安定を図るため、平成四年六月から平成七年三月まで六次にわたって不況対策の緊急融資を行い、平成七年五月から円高対策を含む景気対策としての緊急融資を実施してきた。しかし、この緊急融資は、一般金融機関との協調融資により実施し、政府系金融機関の金利や市中金利の動向をみながら最低の金利を設定したものであり、これを更に下回る金利年一%の不況対策緊急融資を実施することは困難である。 (参考) ┌──────┬──────┬──────┐ │ 件  名 │ 期  間 │ 金  利 │ ├──────┼──────┼──────┤ │第6次緊急 │H6. 4. 1~ │年 3.5%以下│ │特別資金融資│H7. 3.31  │      │ ├──────┼──────┼──────┤ │ 円高対策 │H7. 5. 1~ │年 2.8%以下│ │ 資金融資 │H7. 7.17  │      │ ├──────┼──────┼──────┤ │  〃   │H7. 7.18~ │年 2.5%以下│ │      │H7. 9.27  │      │ ├──────┼──────┼──────┤ │ 景気対策 │H7. 9.28~ │年 2.0%以下│ │ 緊急融資 │      │      │ └──────┴──────┴──────┘      ………………………………… ◯望月委員長 念のため申し上げます。  本件中、港湾局所管分については、昨日の委員会において既に質疑を終了しております。ご了承願います。  本件について発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 なければ、これより採決を行います。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯望月委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第二二五号の五は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、五第二八〇号の一、魚つりのための環境の保全及び改善等に関する請願を議題といたします。      ………………………………… 五第二八〇号の一 魚つりのための環境の保全及び改善等に関する請願 請願者 杉並区     東京勤労者つり団体連合会会長 加藤恵司外六千二百四人 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   1 多摩川や秋川などにアユを放流できるよう、アユのふ化場を造ること。   2 日原川流域にヤマメの発眼卵を放流すること。   3 内湾の魚介類を保護するため、水産試験場を復活すること。 〔現在の状況〕   1について
       東京都では、都民の鮎釣り嗜好を受けて、毎年琵琶湖産鮎を、漁業協同組合が約百八十万尾、東京都が二十二万尾放流している。    また、東京湾から遡上する天然アユを増やし、秋川等の上流まで遡上させるため、都は建設省とともに、多摩川の取水堰や農業用水堰に魚道の設置を進め、天然鮎の増大に努めている。    従って、放流用鮎が安定的に確保されている中で、鮎のふ化場を設置することは、生産コスト等の面から、新たに設置することは困難である。   2について    ヤマメについては、毎年、日原川を含む多摩川本・支流へ漁業協同組合が稚魚を約三十万尾、発眼卵を十万粒放流しており、東京都も稚魚を十六万尾放流している。    発眼卵の放流は、より天然に近い魚が得られるため、釣り人からの要請が強い反面、生残率が極めて低いため、現在、水産試験場で生残率を高めるための試験放流(十九万粒)を行っている。   3について    内湾の魚介類については、内湾漁民や釣り人はもとより、都民にとっても江戸前の生鮮食料として、保護・育成が必要である。    このため東京都は、「内湾の漁業資源動向調査」を実施し、魚の増殖を目的とした漁場造成や、漁業団体の行う魚介類の放流計画に反映させるなど、内湾における水産資源の保護・育成に努めている。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯西田委員 この問題について、ほんのちょっとだけ質問をさせていただきます。  今、東京の釣り人口というのは、二百万人とかそれ以上とか、いろいろいわれているわけですが、お年寄りから子供さんたちまで、老若男女を問わず、この東京でみんなが楽しめる、しかも身近で手軽に楽しめるという点では、スポーツ・レクリエーションとして、釣りというのは大変大事な役割を果たしているというふうに思うんです。  そういう点で、この請願の趣旨は、それがもっと本当に豊かにできるように、いろいろな条件整備をしてほしいということだと思いますが、労働経済局のこれに対する意見を見ますと、アユのふ化場の整備については困難であるということになっているんですね。この請願が出されたのが、かなり前からのものですので、状況の変化等もいろいろあると思うんですけれども、そういう状況の中で、現在どうなっているのか、ちょっと伺いたいと思うんです。  最近、東京内湾で漁業関係者が魚をとりますと、かなりアユが入ってくるというお話も伺っているんですよね。それで、多摩川、秋川における天然アユの遡上というのは、今どういうふうな状況になっているのか、少しご説明をいただきたいと思います。 ◯小林農林水産部長 多摩川におきます自然アユの遡上については、私どもの水産試験場で継続的に調査を進めているところでございます。最近の四カ年の状況を見ますと、約九十万尾の自然アユが遡上していることを確認をいたしております。  しかしながら、多摩川あるいは秋川におきましては、農業用水を初めとする河川工作物が大変多くございます。そんな関係がございまして、魚道の整備を進めているところでございますけれども、大半のアユは、現在のところ二カ領上河原堰までしか遡上できないというような状況でございます。 ◯西田委員 そういう取水堰などの工作物があるために遡上できないということになりますと、河道の整備を進める、あるいは堰の改善を図っていく、こういうことが、アユがちゃんと上まで上れるという点では不可欠の条件であるというふうに思うんですけれど、この改善については、東京都の方──東京都だけじゃない、建設省やその他もあるのでしょうが、どういう計画になっているのか、ちょっとご説明をいただきたいと思います。 ◯小林農林水産部長 多摩川には全部で十九の堰がございます。それで、小河内ダムに至るまでの間に十四の堰がございます。その中で、整備を必要とするものが九カ所ございます。この九カ所につきましては、平成十四年まで、私どもと建設省で整備をする予定を立てているところでございます。  なお、二つの堰については既に整備が完了いたしているところでございます。 ◯西田委員 そうすると、そういう堰が整備されますと、この請願者の望んでいるように秋川や多摩川でふ化場をつくらなくても、ちゃんと天然アユが上ってきてもっといい条件ができるではないかということで受けとめてよろしいのでしょうか。  それから、ちなみに、その堰の改善というのは、魚道をつくるというのはどれぐらいお金がかかるものなのですか。 ◯小林農林水産部長 第一点目は、いずれにいたしましても、やはり自然のアユが遡上するということが自然体系の中でも最も適しているわけでございまして、それが最終的な私どもの目標でございます。それにはやはり、魚道を整備することときれいな水、それでまた適量の水量があるということが一番大切かと思います。その辺に向かって今努力をしているわけであります。  ただいま説明いたしました平成十四年までの予算の総額については、現在のところまだ確定しておりませんので、額は明確になっておりませんが、現在私どもがやっております堰は、一カ所ございますけれども、一億円の経費を投入いたしております。また、建設省が現在行っている堰については、約一億五千万の経費で整備を進めているところでございます。 ◯西田委員 東京都全体あるいは労働経済局全体の予算から見ればそれほど大きな予算ではないというふうに思いますので、十四年までに整備をするというのが、着実にここ進んでいけるのかなというふうに思いますけれど、昨今の、財政緊急事態宣言とかいわれる中でさまざまな削減が求められているわけですが、アユが遡上できる──今お話があったような水量や水質の問題や、いろいろあると思いますけれど、やっぱりそういう循環をちゃんと確保していくというのは、都民のアユ釣りの楽しみというだけではなくて、環境整備という点でも非常に重要な仕事だというふうに思いますので、もう前倒しでもやるぐらいのつもりで、ぜひ着実に推進をしていただきたいと要望しておきたいと思います。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。  本件中、第二項及び第三項は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、請願五第二八〇号の一中、第二項及び第三項は、趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、請願六第四七号の一、同じく第四八号の一、同じく第四九号の一、同じく第五〇号の一を一括して議題といたします。      ………………………………… 六第四七号の一 皮革のカバン類、袋物製造業の保護育成に関する請願 請願者 台東区     東京商工団体連合会代表 小山隆一郎外十二人 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   1 かばん類、袋物製造業者の実態調査を行い、地場産業を保護育成するための緊急対策を立てること。   2 かばん類、袋物製品の輸入規制をすることを国に要望すること。 〔現在の状況〕   1について    都は、地場産業等の振興を図るため、昭和五十四年度から「産地中小企業対策」、昭和五十六年度から「地場産業振興対策事業」、昭和六十年度から「経営資源高度化対策事業」、平成三年度からは、「地場産業等構造高度化対策事業」を実施してきている。    こうした事業において、かばん製造業界については五回、袋物製造業界については、四回にわたり、それぞれの業界の行う技術・デザイン高度化人材確保育成、新販路開拓事業等に対して助成を行ってきたが、平成八年度より、新たに「業種別活性化対策」を設け、業界が自ら実施する活性化事業に対しても支援を行うこととしたところである。その他、従来より「施設改善資金融資あっせん制度」のなかで地場産業振興資金により低利な設備資金を供給しているところである。    従って、緊急対策を実施する状況にはないものと考えている。   2について    かばん類、袋物の輸入は、昭和三十七年十月に自由化されており、輸入規制を国に要望することは困難である。      ………………………………… 六第四八号の一 皮革のカバン類、袋物製造業の保護育成に関する請願 請願者 台東区     台東民主商工会会長 井上汐規 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   1 かばん類、袋物製造業者の実態調査を行い、地場産業を保護育成するための緊急対策を立てること。   2 かばん類、袋物製品の輸入規制をすることを国に要望すること。 〔現在の状況〕   1について    都は、地場産業等の振興を図るため、昭和五十四年度から「産地中小企業対策」、昭和五十六年度から「地場産業振興対策事業」、昭和六十年度から「経営資源高度化対策事業」、平成三年度からは、「地場産業等構造高度化対策事業」を実施してきている。    こうした事業において、かばん製造業界については五回、袋物製造業界については、四回にわたり、それぞれの業界の行う技術・デザイン高度化人材確保育成、新販路開拓事業等に対して助成を行ってきたが、平成八年度より、新たに「業種別活性化対策」を設け、業界が自ら実施する活性化事業に対しても支援を行うこととしたところである。その他、従来より「施設改善資金融資あっせん制度」のなかで地場産業振興資金により低利な設備資金を供給しているところである。    従って、緊急対策を実施する状況にはないものと考えている。   2について    かばん類、袋物の輸入は、昭和三十七年十月に自由化されており、輸入規制を国に要望することは困難である。      ………………………………… 六第四九号の一 皮革のカバン類、袋物製造業の保護育成に関する請願 請願者 葛飾区     佐々木淑子外千二百八十四人 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   1 かばん類、袋物製造業者の実態調査を行い、地場産業を保護育成するための緊急対策を立てること。   2 かばん類、袋物製品の輸入規制をすることを国に要望すること。 〔現在の状況〕   1について    都は、地場産業等の振興を図るため、昭和五十四年度から「産地中小企業対策」、昭和五十六年度から「地場産業振興対策事業」、昭和六十年度から「経営資源高度化対策事業」、平成三年度からは、「地場産業等構造高度化対策事業」を実施してきている。    こうした事業において、かばん製造業界については五回、袋物製造業界については、四回にわたり、それぞれの業界の行う技術・デザイン高度化人材確保育成、新販路開拓事業等に対して助成を行ってきたが、平成八年度より、新たに「業種別活性化対策」を設け、業界が自ら実施する活性化事業に対しても支援を行うこととしたところである。その他、従来より「施設改善資金融資あっせん制度」のなかで地場産業振興資金により低利な設備資金を供給しているところである。    従って、緊急対策を実施する状況にはないものと考えている。   2について    かばん類、袋物の輸入は、昭和三十七年十月に自由化されており、輸入規制を国に要望することは困難である。      ………………………………… 六第五〇号の一 皮革のカバン類、袋物製造業の保護育成に関する請願 請願者 足立区     小田島薫外百四十二人 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   1 かばん類、袋物製造業者の実態調査を行い、地場産業を保護育成するための緊急対策を立てること。   2 かばん類、袋物製品の輸入規制をすることを国に要望すること。 〔現在の状況〕   1について    都は、地場産業等の振興を図るため、昭和五十四年度から「産地中小企業対策」、昭和五十六年度から「地場産業振興対策事業」、昭和六十年度から「経営資源高度化対策事業」、平成三年度からは、「地場産業等構造高度化対策事業」を実施してきている。    こうした事業において、かばん製造業界については五回、袋物製造業界については、四回にわたり、それぞれの業界の行う技術・デザイン高度化人材確保育成、新販路開拓事業等に対して助成を行ってきたが、平成八年度より、新たに「業種別活性化対策」を設け、業界が自ら実施する活性化事業に対しても支援を行うこととしたところである。その他、従来より「施設改善資金融資あっせん制度」のなかで地場産業振興資金により低利な設備資金を供給しているところである。    従って、緊急対策を実施する状況にはないものと考えている。   2について    かばん類、袋物の輸入は、昭和三十七年十月に自由化されており、輸入規制を国に要望することは困難である。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯丸茂委員 この請願に出されている皮革のかばんあるいは袋物製造業は、逆輸入等で大変厳しい状況にあるわけですけれども、請願には、平成三年の事業所統計調査による都内における皮革製品、かばん、袋物加工業の数が、事業所で七千四百二十二、従業員で三万五千二百四十八人と、かけがえのない重要な地場産業である、この産業が大変厳しいのだということがいわれているわけですが、この加工業が、一番新しい事業所統計調査で、事業所数あるいは従業員数でどういう推移をたどっているのか、その点をまずお尋ねいたします。 ◯長谷川商工振興部長 ただいま先生がご引証されました事業所統計というのは、総務庁統計局の統計でございます。この総務庁統計局の事業所統計につきましては、実は五年に一度の統計なものですから、今のご質問の関係では、なるべく近時の資料がよろしいかと思いまして、同じく総務庁統計局がまとめてございます事業所名簿整備調査報告というもので、平成六年、一番最新時点で入手できる数字を拾わせていただきますと、事業所数で、かばんにつきましては、平成三年度に七百七十九であったものが、平成六年度には七百五十九、それから袋物につきましては、平成三年度一千九百二十二というものが、一千八百二十。従業員数について申し上げますと、かばんの方が、同じく三千九百九十二から三千二百五十六、袋物の方が、八千四百五十七から七千五百六十三という数字になっております。 ◯丸茂委員 いずれも減少している傾向にあるわけですけれども、この背景にどんなことが原因として挙げられるのか把握しているのか、その点をお尋ねいたします。 ◯長谷川商工振興部長 ただいまのご質問でございますが、私どもの方で捕捉できる範囲のものをまず申し上げますと、何と申しましても一番大きい要因としては、これは当該業種だけではないと思いますが、経済全体が深刻な不況に陥ったということで縮小しているということが大きいと思います。お話にございました平成三年度というのは、振り返って見ますれば、まだ経済が大変好調な時期でございます。その後数年間、ご案内のとおりの深刻な不況に陥りました関係で、実は、かばん、袋物のみならず、製造業全般が事業所数、従業員数とも減っております。  数字について一部だけご披露申し上げますと、先ほど申し上げました同種の統計で見ますと、同じく製造業全体、東京都を見ますれば、三年度に十一万一千六百八十三であったものが、十万五千四百四十五と減っておりまして、この減り方で見ますれば、事業所数について申します限り、実は、かばんないしは袋物の減り方と同様に、製造業全般が減っているということでございます。  第二に、業種特有の理由はあろうかと思います。私ども、重要な業種につきましては、ふだんから業種別の実態調査を実施しております。かばんの製造業の方につきましては、その要因として考えられた点を、アンケート調査がございますので申し上げますと、一番大きい問題としては、受注量の不安定さ、それから売上単価等の低下というのがそれに次いでおります。袋物につきましては、人材、人手不足というのが最大の問題ということでこのアンケートに上がってきておりまして、これに人件費の増大が次いでいるということでございまして、こういった業種の特有性というものを踏まえた原因もあろうかと思います。 ◯丸茂委員 私も、現状がどうなのか請願者にもお尋ねしてきました。やっぱり確かに受注量が不安定、売り上げ減と。その背景に、例えば国内受注でいうと、この当時六割減といっていましたけれども、今ではもう七割を超えている状況にあるだろう。それからハンドバッグ等でも、外材等のハンドバッグの場合は七割がもう中国産になっている。本革のものは国内生産は三割程度になっている。
     こういうところからも、かなり海外に移転して逆輸入されているという状況がうかがわれるわけですけれども、単価等でも、こうした背景のもとで、ショッピングバッグは、単価で六百円が二百円、三分の一になっているというお話も聞いてきました。革製品などは、イタリアから直接中国へ持っていって、そこで加工して日本へ納入すれば、税法上の優遇も受けられるという点で、大変安い単価で日本に入ってくる。そして日本の企業も、ミシン業者などもう四社進出しているそうですけれども、やはり海外への移転、また逆輸入、そういうものが大きく背景にあるのではないかというふうに、お話を聞いて感じたわけです。  それでは、こうした事態の中で、この業種についての保護育成、これをどうしようとしているのか、その点、お伺いいたします。 ◯長谷川商工振興部長 保護育成対策でございますけれども、最近の十数年につきまして、どういったことをしたかということをご報告申し上げたいと思います。  かばんにつきましては、昭和五十六年度から六十年度の五カ年間にかけまして、産地中小企業対策ということで、対策予算をとってございます。続きまして、六十二年度から六十三年度の二年間にかけまして、経営資源高度化対策ということで、技術高度化の対策。同じく同対策ということで、平成元年度から二年度、二年間にわたりまして、新販路の開拓。さらに続きまして、三年度から四年度、両年度間で、デザインの高度化対策。そして平成三年度からは、これに加えまして、地場産業等構造高度化対策ということで総合対策を講じたということで、合わせまして一億五千万円弱の補助金を出しております。  それから、袋物につきましても、地場産業振興対策、それから経営資源高度化対策、地場産業等構造高度化対策の対象といたしまして、昭和五十九年度から平成九年度に至るまでの間、同じく技術面、販路面それから人材育成面、こういったような多岐にわたりまして、六千八百万円弱の補助金を出しております。  これに加えまして、都としては、先ほども西田先生からご指摘がございましたが、財政大変厳しい中で、八年度は、業種別活性化対策というものを新規事業で始めておりまして、これはかばん、袋物の業界に限りませんけれども、意欲的に取り組みます関係業界へこの制度の活用を働きかけているということでございます。  さらに、海外の販路開拓ということにも重点を置いておりまして、かばんにつきましては、昭和六十一年度から平成二年度、これはフランスのパリの見本市。平成二年度から継続しておりますのは、ドイツのデュッセルドルフでの見本市への参加。それから、平成七年度には、香港におきますアジア・パシフィック・レザーフェアへの参加。そして、国内向けの販路開拓を支援するということで、本年度は東京レザー・グッズコレクションということで、私ども革製のかばんにつきまして応援をしております。  さらに、この革製のかばんにつきましては、技術面での指導ということも私ども取り組んでおりまして、東京都立皮革技術センターというところで、研究員を置きまして応援をしているというのが状況でございます。 ◯丸茂委員 いろいろ支援策を述べられたわけですけれども、そういう中でも、製造業は依然としてさらに厳しい現状にあるという点では、やはり有効な手だてが必要だという点で、緊急対策を立てる上でも、実態をつかんで対応してもらいたいという請願の意思があると思うんですね。  そういう中で、特に輸入規制についても請願者からの要望があるわけですけれども、中小企業基本法の二十二条はどういう定めになっているのか、その点をまずお伺いしておきたいと思います。 ◯長谷川商工振興部長 ただいま先生からご質問がございました中小企業基本法第二十二条を読み上げさせていただきます。  「(輸入品との関係の調整) 第二十二条 国は、主として中小企業が生産する物品につき、輸入に係る物品に対する競争力を強化するため必要な施策を講ずるほか、物品の輸入によつてこれと競争関係にある物品を生産する中小企業に重大な損害を与え又は与えるおそれがある場合において、緊急に必要があるときは、関税率の調整、輸入の制限等必要な施策を講ずるものとする。」  以上でございます。 ◯丸茂委員 これは国としてやらなければいけない条文になっているわけですけれども、この法律に沿って国として発動した経過というのはあるんでしょうか。 ◯長谷川商工振興部長 お尋ねは、国が発動したかどうかということでございましたので、私ども国にも確認いたしました。これまでこの中小企業基本法第二十二条を適用して関税率の調整や輸入制限を行ったことはないというのが回答でございます。 ◯丸茂委員 意見だけにしますけれども、やはりこうした逆輸入等で厳しい現状に置かれている皮革かばん、あるいは袋物製造業、この立場に立って、本当に一番身近にその状況をつかまえられるのは、やっぱり東京都であり、身近な自治体だというふうに思うんですね。  そういうところから、やはりこの状況を、何としても規制が必要である、何らかの手だてが必要であるということを国にも伝えない限り、国が動くということもないわけで、現状のもとでは、ぜひそういう立場で国に要望すべきだという意見で、ぜひこの請願は採択すべきだということです。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。  本件は、一括して起立により採決いたします。  本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯望月委員長 起立少数と認めます。よって、請願六第四七号の一、同じく第四八号の一、同じく第四九号の一、同じく第五〇号の一は、いずれも不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、六第七四号の三、HIV感染者・患者の権利確立のための保健、医療、福祉及び雇用対策に関する請願を議題といたします。      ………………………………… 六第七四号の三 HIV感染者・患者の権利確立のための保健、医療、福祉及び雇用対策に関する請願 請願者 杉並区     準備出産&からだのおしゃべり会代表 森冬実外二十三人 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   2 社会福祉、社会保障について    (4)都は各自治体、企業に対し、HIV感染者の雇用促進のための指導をすること。 〔現在の状況〕   2(4)について    職業安定機関は、求職者に対して、職業紹介の一般原則に基づき、基本的人権を尊重し、差別的偏見により何人も排除されることのないよう職業紹介を行っている。    一方、求人企業に対しては、求職者の働く意思と適性・能力により採用の適否を判断するよう、指導しているところである。    従って、HIV感染者への職業紹介においても、他の求職者と異なる取り扱いをすることは考えていない。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯西田委員 一言だけ。  この委員会に付託されているのは、HIV感染者・患者の雇用を促進するように求める内容だと思うのですけれども、私も請願者の方に連絡をとりましてお話を伺いましたが、あのHIVの問題が問題になり始めたころ、B型肝炎の方が、それを理由に解雇されたということが起こったのだそうです。そういうことから、そういう差別があってはならないということで、こういう請願を、項目を含めて行ったということだったのですが、その真意を聞きますと、結局は、そういう感染者や患者が職場において差別をされるようなことは許せないということでありました。  当然のことでありますけれども、この請願で、雇用の促進というふうになりますと、その感染者であることを明らかにしないと、その枠の中に入らない。まあ逆の差別が起こり得るということがありまして、請願者の真意はよくわかったのですけれども、この項目については賛成しかねるということで、不採択とすることに賛成をしたいと思います。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、請願六第七四号の三は、不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、七第一四号、東京協和、安全両信用組合救済計画撤回、不況対策充実及び震災対策強化等に関する請願を議題といたします。      ………………………………… 七第一四号 東京協和、安全両信用組合救済計画撤回、不況対策充実及び震災対策強化等に関する請願 請願者 台東区     東京商工団体連合会会長 市川喜一外四千五十一人 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   1 東京協和、安全の両信用組合への三百億円救済計画は直ちに白紙撤回し、都は真相の究明とその指導責任を明らかにすること。   2 中小企業、中小業者に年利一パーセント以下、十五年返済の別枠不況対策融資の実現を図り、無担保無保証人融資の限度額を一千万円に引き上げること。   3 都は、「中小企業振興条例」を制定し、中小企業、中小業者に対する施策の充実を図ること。 〔現在の状況〕   1について    旧二信用組合に係る財政支出については、平成七年都議会臨時会以来、知事が繰り返し表明しているとおり、都議会での議論を踏まえ、関係者の意見等を総合的に勘案して適切に対処していくこととしている。    なお、平成六年度最終補正予算案の東京都信用組合協会に対する三百億円の貸付は、東京協和信用組合及び安全信用組合を救済することを目的としたものではなく、預金者を保護するとともに、信用秩序の維持を図ることを目的として計上したものである。    また、信用組合の指導監督については、これまでの指導監督の反省点を踏まえ基本方針及び実施要領を策定し、信用組合の経営の健全化に努めているところである。   2について    都においては、平成四年六月から、現在までに数次にわたって景気動向や中小企業の実態に基づき、景気対策緊急融資を実施しているところである。    この融資の金利については、中小企業の金利負担をできる限り軽減するため、預託金利を低くすることなどにより、金融機関の協調が可能な最低金利を設定したものである。    また、信用保証料については、通常のものより〇・一パーセント程度低い特別保証料率を設定している。    一方、無担保無保証人融資の限度額については、中小企業信用保険法の特別小口保険に基づいて設定されており、その引き上げを国に要望した結果、平成七年十一月一日に特別小口保険の限度額が五百万円から七百五十万円に引き上げられたため、都も直ちに七百五十万円に引き上げたものである。    以上のことから現時点で、年利の一パーセント以下へ引き下げ、限度額の一千万円への引上げは困難である。   3について    中小企業対策は、都政における極めて重要な課題であることから、これまで、その時々の社会経済状況の変化による中小企業の課題に適切に対処してきたところである。具体的には、中小企業振興対策審議会の答申等をもとに、「とうきょうプラン’95」に諸事業を計画化するとともに、中小企業基本法等に基づく施策とも連携し、多様な施策を体系的に展開している。    また、現在、「東京の活力ある産業を考える懇談会」において、総合的な産業政策を策定するための検討を行っているところである。    従って、条例を制定しなければ、中小企業の振興が図れない状況ではないと考えている。      ………………………………… ◯望月委員長 念のために申し上げます。  本件中、港湾局所管分については、昨日の委員会において既に質疑を終了しております。ご了承を願います。  それでは、本件について発言を願います。 ◯丸茂委員 僕は、東京都の旧二信組、それから、ここにはありませんけれども、コスモの破綻処理、これに都民の税金を投入するということについても強い都民の批判がありますし、住専処理の先導役を果たしたという点でも大変大きな問題だというふうに思っています。旧コスモの問題に至っては、泰道前理事長が、経営責任としての資産提供についても、これを拒否するという事態も生まれておりますし、引き続き、この事態の真相がどうだったのか、問題点等を明らかにしていく必要がありますし、また、そこでの都の指導監督責任がどうだったのかということも、引き続き明らかにしていくことが大事だと思っています。  そういう点で、この趣旨、そして二項、三項にも、厳しい経営状況にある中小企業、産業空洞化のもとで、やっぱり必要な施策であるということから、採択したいという意見です。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。    〔賛成者起立〕 ◯望月委員長 起立少数と認めます。よって、請願七第一四号は、不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、七第一〇七号、男女雇用機会均等法の改正に関する請願を議題といたします。      ………………………………… 七第一〇七号 男女雇用機会均等法の改正に関する請願 請願者 中野区     大橋俊夫 〔要旨〕   男女雇用機会均等法を次の内容を加えた法律に改正するよう、国に対し意見書を提出していただきたい。   1 募集・採用・配置・昇進に関する現行法の努力義務規定を罰則を含む制裁を伴う禁止規定にすること。   2 賃金差別禁止、年齢・出産・家庭責任(家事・育児など)を理由とする差別禁止規定を設けること。   3 救済機関の充実・強化と、調停に当たって同意条項を削除すること。 〔現在の状況〕   男女雇用機会均等法は、昭和六十一年四月に施行されたが、労働相談において女性の結婚退職の慣行が残っている事例があるなど、現在に至っても女性に対する不利益取扱の問題は解消されていない面がある。   こうした状況を踏まえ、都では、男女雇用平等の実現を図るため、女性労働の実態把握を行う一方、啓発資料の発行、男女差別に係る労働相談の実施等に努めるとともに、機会均等確保のための現行施策の整備・強化が必要とされるものについては、「女性問題解決のための東京都行動計画」(以下「行動計画」)に基づき国に要望を行ってきたところである。   また、平成七年十月二十五日に、労働大臣の諮問機関である婦人少年問題審議会婦人部会において男女雇用機会均等法見直しについての審議が再開されており、平成八年七月十六日には同部会の中間報告が発表された。今後、年内にも最終報告が取りまとめられる見通しである。   1について    現行法の努力義務規定を制裁を伴う禁止規定にすることに関しては、婦人部会において審議中でもあることから、その動向について見守ってまいりたい。
      2について    賃金差別禁止については、男女同一賃金の原則として労働基準法第四条に罰則付きの規定がある。また、家族的責任を有する労働者が差別を受けることのないよう「行動計画」に基づき国に要望を行っている。   3について    上記2と同様に、「行動計画」に基づき、調停制度の実効性の確保などについて国に要望を行っている。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯西田委員 男女雇用機会均等法の改正を求めるこの請願に関しまして、若干の質疑をさせていただきたいと思います。  まずお伺いいたしますが、東京での男女差別に関する労働相談の状況というのはどのようになっているか、その推移をご説明いただきたい。 ◯小畑労政部長 東京におきます男女差別に関する労働相談の状況の推移でございますが、平成三年度から五カ年にわたりまして答弁をさせていただきます。  平成三年度が百四十八件、平成四年度が百七十一件、五年度が百三十件、平成六年度が七十三件、そして七年度が百四十件と推移しております。 ◯西田委員 若干、相当な落ち込みがあるというか、減っているという時期もございますが、平均して百数十件来ているということで、決して、この相談が減って状況が改善されたといえる状況ではないだろうというふうに思うんですね。  そこで、どのような相談がその中で多く寄せられているのか。幾つかちょっと具体的な事例も含めて、大まかな傾向と事例等もご説明いただければと思います。 ◯小畑労政部長 相談の内容でございますけれども、百四十件ありました七年度のことで答弁させていただきます。  まず、一番多かったのが、賃金体系や賃金水準など賃金に関するものでございまして、これが四十六項目にわたってございます。次いで多いのが解雇に関するものでございまして、四十三項目。三番目に多いのが、賃金不払いに関するものが三十二項目というぐあいになってございます。  相談の事例でございますが、二つほどお答えさせていただきたいと思います。  一つの事例でございますが、家族手当の支給基準に沿いまして支給を申請いたしましたけれども、女性には支給できない、こういうことから相談があったものでございます。  もう一つの事例でございますが、就業規則で、定年が、男性が六十歳、女性五十五歳となっておりまして、男性と同じ年まで働けないのか、こういった相談でございました。 ◯西田委員 賃金に関する相談が、賃金での男女差別という点での相談が最も多いということでしたが、この請願の労働経済局のコメントを見ますと、この賃金差別については、労働基準法の第四条に罰則がついた規定が設けられているというふうにあるのですが、法に罰則規定があっても、なかなか現実には改善されていないというのが現状ではないかというふうに思うんですね。  そこで、もう一つお聞きをいたしますけれども、この請願の内容にも、募集、採用、配置、昇進について、努力義務規定を、制裁を含めた禁止規定にと、そういう改正を求める内容が含まれているわけです。均等法が施行されまして十年になるわけですが、努力義務規定というのは、努力をするべきだと、努力をすることが義務づけられているというわけですから、努力したといえば、それまでなんですよね。  そういう状況の中で、この面での男女差別がどのようになっているのか。改善されているのか、それともそうではないのか、もっとひどくなっているのか。もっとひどくなっているという訴えもあるわけですけれど、そういう点では、都の労働行政の中で把握している状況でいうと、どんなふうに考えておられるでしょうか。 ◯小畑労政部長 均等法が施行されまして十年を経過したわけでございますが、この間におきまして、女性の雇用者は大幅に増加しました。また、職域の拡大も見られるところでございます。均等法の制定は、男女平等についての社会の意識向上に大きな効果を与えてきておりまして、企業におきましては、男女別の定年制など、均等法上禁止された差別的取り扱いを解消するための雇用管理制度の整備が行われるとともに、女性の積極的登用の動きも見られるところでございます。  この間、育児休業法ですとか、あるいはパートタイム労働法の制定、さらには介護休業の法制化など、働く女性を取り巻く法制度の整備が進んでおりますが、近年の厳しい雇用情勢の影響もございまして、先ほど申し上げましたように、労政事務所におきます労働相談の状況等を見ましても、女性の雇用管理をめぐって、依然として課題が残されているのではないか、このように考えてございます。 ◯西田委員 今、若干私、質問が違ったんですけれども、均等法が施行されて十年になって、この間どう評価しているかという角度からのお答えをいただいたわけです。それはそれでありがとうございます。  積極面は、今お話があったように、否定するものではもちろんないわけですけれども、かなり、労働相談の中にあらわれている問題点、残された課題というのがあるという、ざっとしたお答えだったんですけれども、私は、さっきお聞きした募集、採用、配置、昇進という点での努力義務規定──努力規定に終わっているという中で、場合によってはむしろ、これが変なふうに企業の知恵によって悪用されているような例だって現実にはあるんじゃないかというふうに思うんですね。  例えば、これはどなたもが既に周知のことだと思いますけれども、近年の氷河期とか超氷河期とかといわれる大学卒業生の雇用、採用に当たりまして、とりわけ女子学生が厳しい状況に置かれている。  募集で差別があってはいけない、努力しなさいといわれているわけですから、一応募集はする。だけれども、実際に行ってみると、募集要項もくれないとか、面接に行くと、とにかくまともに就職をしたいというふうに真剣にいっている女子学生に対して、企業の側は全くまともじゃない。むしろ、何らかかわりのない容姿のことだとか、あるいはセクハラまがいの、本当に聞くにたえないような、人権を無視されているような質問すら行われる。嫌がらせですよね。そういうことすら問題にされてきていたというのが実情ではないかというふうに思うんですね。  政府の方で、婦人少年室ですか、指導してもなかなか聞いてくれない、こういうところもたくさんあったようですけれども、こうした状況のもとで、私は、今十年たって、こういう実情を許さない、本当に実情に合ったといったらいいんでしょうか、法があるけれども、現実には、すり抜けられているというか、悪用されているというか、一つも男女差別が解消されないで、むしろひどくなっている分野というか部分もあるという状況のもとで、今見直しが行われているわけですけれども、本当に男女差別をなくしていくという法律上の実効性がきちんと確保できるような見直しが行われる必要があるというふうに思うんですね。  そういう点で今、労働大臣の諮問機関である婦人少年問題審議会ですか、そこの婦人部会で、この男女雇用機会均等法の見直し等が検討されているということで、労働経済局は推移を見守っていきたい、こういうふうにいわれているわけなんですけれども、私は、資料をいただきまして全部読んでみました。七月に出された中間の報告、それから、ことしじゅうに最終報告が出るだろうというふうにこの資料ではなっていますけれども、見直しが本当にそういう実効性ある中身になっていくのかどうかというのは、中間報告を読んだだけではちっともわからないというのが私の感想なんですが、この中間報告の内容につきまして、都の審議会じゃありませんから、もっと深いところでお話ししてくださいといっても無理かとは思いますけれども、この中間報告で今何をいっているのか、それから、これが最終報告に向けてどういう位置づけで出されているのか、これをご説明いただければありがたいのですが。 ◯小畑労政部長 均等法見直しに関します、婦人少年問題審議会婦人部会から出されました中間報告についてのお尋ねでございます。  まず、この中間報告の位置づけでございますが、この審議会におきましては、昨年の十月から審議を再開しているところでございますけれども、中間報告につきましては、婦人少年問題審議会婦人部会における審議状況について、今後さらにその審議を深めるに当たって、これまでの論議における論点を整理したものでございまして、中間のまとめは、本年の七月十六日、そういった位置づけのもとで労働省から発表されたものでございます。  その報告によりますれば、労働基準法の女子保護規定については、その解消を目指す方向で今後論議していくことが確認されております。しかし、雇用の分野における男女の平等取り扱いや、あるいは法の実効性を高める方策、さらには母性の保護などについては、依然といたしまして労使の間の意見に隔たりが見られるところでございます。  西田委員ご質問のとおり、労働省といたしましては、労働者側の意見、それから使用者側の意見、さらに公益側の意見を聞きながら、婦人部会として年内に何とかその最終報告をまとめたいという考えでいるようでございます。 ◯西田委員 今のお答えで、中間報告ではっきりしたのはというか、何か結論が出そうなのは、労働基準法の女子の保護規定については解消するということが合意されたみたいな報告がございました。そのほかについては依然として何かどうも平行線でいっているという感じなんですけれども、この女子の保護規定を今の段階で撤廃するということ自体が、今の日本の労働環境からいうと大変重大な問題をはらんでいるんじゃないかというふうに思うんですね。  今、日本の働く人たち、超長時間過密労働ということで、国際的にも問題になるような雇用条件というか労働条件に置かれている。そういうことを改善することを抜きにしまして、女子も深夜、休日、それから夜間、残業、そういう労働を全部男性並みにやれ、こういうことが一体どういう結果をもたらすのか。本当に家族としての、維持していくそういう側面と、労働という側面と、やはり社会的にちゃんと保障されていくという点から考えても、今のままこれだけ解消してしまう、それは重大な問題があるというふうに思うんですね。だけど、今度の中間報告は、そういうことだけはどうもはっきりさせていきそうだと。  一方、本当に今深刻になっている雇用や、あるいは募集や、さまざまな点での男女差別を解消しよう、実効性あるものにしてほしいという要求があるにもかかわらず、それについては、どうも企業側は、企業の論理もあるんだみたいな、そういうことでほうっていこうとするような動きさえ感じられるような中身で、これはやはり、このままいったら、働く人や、あるいは女性労働者にとって、希望をつなげない、裏切るものになるという危険性もはらんでいるものではないかというふうに思うんですね。  中間報告が、先ほどお話がありましたように、論議をまとめて、論議をしてもらって最終報告に向けてその意見を聞いていきたいということも含んでいるということになりますと、私はやはり、東京都が労働の状態をリアルに報告をしながら本当に国に対して意見を述べていくということ、これが非常に大事な時期なのではないか。同時に、この請願者がいっておられるように、議会としてもそういう意見を国に対して述べていくということが大変重要な時期になっていると思うんですね。  そういうことで、議会は議会側でのまた後ほどの議論もあると思いますけれども、東京都として、国に対する要望、それから、都民に対してそういう状況を知らせながら議論を巻き起こしていくという働きかけ、それらについて、どのようにおやりになろうと考えているのか、これをお伺いしておきたいと思います。 ◯小畑労政部長 均等法見直しについて国に要望している問題でございますが、毎年、女性関係施策の充実強化につきまして、女性問題解決のための東京都行動計画に基づきまして国に要望しているところでございます。  今年度は、この八月一日でございますけれども、男女共同参画推進本部長でもある内閣総理大臣あてに都知事名で文書をもって要望したところでございまして、関係の各省庁に対しましても、総理府より八月三日付で要望書を配布しております。  このほか、都といたしまして、各関係省庁に対しまして、あらゆる機会をとらえて要望の趣旨を伝えてまいりたい、このように考えてございます。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。  本件中、第二項及び第三項は趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、請願七第一〇七号中、第二項及び第三項は趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、七第一三九号の一、フジテレビ移転・跡地開発に関する請願を議題といたします。      ………………………………… 七第一三九号の一 フジテレビ移転・跡地開発に関する請願 請願者 新宿区     フジテレビ跡地問題連絡協議会会長 矢澤四郎外十五人 〔要旨〕   フジテレビ移転跡地の開発について、次のことを実現していただきたい。   2 跡地の商店街の振興策について    (1)都独自の長期・超低利の公的融資を行うこと。    (2)商業コンサルタントの派遣等をすること。 〔現在の状況〕   2(1)について     都では、中小企業の経営の安定を図るため「施設改善資金融資あっせん」や「中小企業制度融資」の中で、商店街を構成する個々の店舗も対象とした融資を実施している。     また、貸付金利については、市中金利等の動向を勘案し、金融機関が協調可能な最低の金利を設定し、商店街の振興に努めている。    (2)について     都では、商店街の活性化を図るため商店街が自主的に行う研究会等に対し、必要に応じて専門家を派遣して助言、指導等を実施している。     また、商工指導所では「商店街診断事業」により、商店街に影響を与えている内外要因等を調査・分析し、商店街の活性化に向けた改善策、将来のあり方等について指導を行っている。      ………………………………… ◯望月委員長 念のため申し上げます。  本件中、港湾局所管分については、昨日の委員会において既に質疑を終了しております。ご了承を願います。  本件について発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、請願七第一三九号の一は趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、五第五二号の二、五日市丘陵の自然環境を生かした教育・文化の森の計画推進に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 五第五二号の二 五日市丘陵の自然環境を生かした教育・文化の森の計画推進に関する陳情 陳情者 西多摩郡五日市町     五日市の自然を大切にするまちづくりを考える会代表 樽良平 〔要旨〕   五日市丘陵に関し、次のことを実現していただきたい。   2 都民のために自然環境を生かした教育・文化の森とすること。 〔現在の状況〕   陳情地区の一部は、身近に自然とふれあえる森林や生活と深く係わりをもつ農用林がある地域である。   自然とのふれあいへの要望が高まるなかで、都は「東京の森林づくりプラン21」において、多くの都民に親しんでもらう森林づくりについて計画しているところである。   今後、この計画の推進にあたって、陳情地区の一部について、その保全を検討してまいりたい。      ………………………………… ◯望月委員長 本件について発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、保留とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第五二号の二は保留と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、五第一五八号の一、木材関係品の関税引上げ等に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 五第一五八号の一 木材関係品の関税引上げ等に関する陳情 陳情者 中野区     野村民夫 〔要旨〕   次のことを実現していただきたい。   1 木材関係品(丸太、チップ、合板、製材、パルプ、紙)の関税を引上げるよう国に要望すること。
      3 都が発注する住宅や公共建設工事に国産材、特に都内で生産された木材を優先的に活用すること。   4 都が発注する紙製品は、再生紙及び国産材を原料とするものを優先させること。(「国産材を原料とするもの」の部分)   6 木材関係品の原産地表示を制度化するよう国に要望すること。 〔現在の状況〕   1について    平成六年のガット・ウルグァイ・ラウンド林産物交渉の各国合意による協定締結に伴い、同年十二月に関税法の改正があった。これにより、同七年一月から同十一年までの五ケ年間で、一部の木材製品の関税を段階的に引下げることになったことから、関税の引き上げを国に要望する状況にない。    具体的な関税率は、左のとおりである。 ┌──────┬──────────────┬───┐ │      │  関   税   率   │最 終│ │      │              │関税率│ │ 品  名 ├──┬──┬──┬──┬──┼───┤ │      │平成│平成│平成│平成│平成│ 平成│ │      │6年│7年│8年│9年│10年│ 11年│ ├──────┼──┼──┼──┼──┼──┼───┤ │製    材│10.0│ 9.2│ 8.4│ 7.6│ 6.8│  6.0│ │(ラワン等)│  │  │  │  │  │   │ ├──────┼──┼──┼──┼──┼──┼───┤ │合    板│15.0│12.6│10.3│ 8.0│ 7.1│  6.0│ │(6mm未満)│  │  │  │  │  │   │ ├──────┼──┼──┼──┼──┼──┼───┤ │丸太・チップ│ 0│ 0│ 0│ 0│ 0│  0│ └──────┴──┴──┴──┴──┴──┴───┘   3について    平成六年における我が国の木材自給率は二二・四%、また、都内産の木材生産量は二万一千立方メートルであり、都内の木造住宅建設需要量の三%を占めるにすぎない。    これは、木材価格の低迷や林業労働力の不足により生産が停滞していることによるものである。    従って、現段階では、安定的な供給や価格の面でも、国産材や都内産材を都の発注する住宅や公共建設工事に優先して活用する状況にはないが、都では、日の出町に多摩木材センターを設置し、都内産木材の安定供給や流通の促進を図るとともに、間伐材を利用した新製品の展示等、木材利用推進に関する事業を実施しており、今後とも、都内産木材の利用拡大、東京の林業振興に努めてまいりたい。   4について    我が国で生産される事務用等の紙製品は、古紙、輸入原料及び国産原料を混合して使用しており、その混合割合は、古紙五〇%、輸入原料四五%、国産原料五%となっている。    従って、国産材を原料とするものを優先する状況にはない。   6について    輸入材については、通関の際、輸出国証明が必要であるが、流通段階では、原産地を表示する義務はない。    一方、国際的には、環境保全の観点から、国連の下部機関である国際熱帯木材機関(ITTO)において、再生可能な森林から生産される木材であることを認定し、原産地を表示する制度(認証制度)を検討している段階であるが、各国の国内事情もあり、その内容は明確になっていない。    従って、我が国はこれらの動向を見きわめているのが現状であり、都としてもこれらの動きを見守ってまいりたい。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件中、第三項は趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第一五八号の一中、第三項は趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、陳情五第一七四号及び陳情七第六六号を一括して議題といたします。      ………………………………… 五第一七四号 「他人介護休暇制度」の確立に関する陳情 陳情者 北区     障害者の足を奪い返す会代表 猪野千代子 〔要旨〕   障害者、高齢者等のための「他人介護休暇制度」を確立していただきたい。 〔現在の状況〕   家族の介護は、労働者が職業生活を継続する上で大きな問題であるため、国において家族の介護を行う労働者が雇用を継続し能力を発揮できるよう、平成七年六月、従来の「育児休業等に関する法律」を改正し、介護休業の法制化及び育児や家族の介護を行う労働者に対する支援措置を盛り込んだ「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」を制定したところである。   都としては、同法の施行後、企業における介護休業制度の促進を図るため、介護休業制度普及委託援助事業の実施や各種の普及・啓発資料を作成し、労使・都民への普及に取り組んでいるところである。   他人介護休暇制度は、ボランティア休暇制度など企業の中で労使が合意して制度を設けて対応していくことが必要であり、労働基準法等で保障することは、困難である。      ………………………………… 七第六六号 「他人介護休暇制度」の確立に関する陳情 陳情者 北区     障害者の足を奪い返す会代表 猪野千代子 〔要旨〕   障害者、高齢者等のための「他人介護休暇制度」を確立していただきたい。 〔現在の状況〕   家族の介護は、労働者が職業生活を継続する上で大きな問題であるため、国において家族の介護を行う労働者が雇用を継続し能力を発揮できるよう、平成七年六月、従来の「育児休業等に関する法律」を改正し、介護休業の法制化及び育児や家族の介護を行う労働者に対する支援措置を盛り込んだ「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」を制定したところである。   都としては、同法の施行後、企業における介護休業制度の促進を図るため、介護休業制度普及委託援助事業の実施や各種の普及・啓発資料を作成し、労使・都民への普及に取り組んでいるところである。   他人介護休暇制度は、ボランティア休暇制度など企業の中で労使が合意して制度を設けて対応していくことが必要であり、労働基準法等で保障することは、困難である。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第一七四号及び陳情七第六六号は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、五第二一六号の一、日雇労働被保険者に対する施策の充実に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 五第二一六号の一 日雇労働被保険者に対する施策の充実に関する陳情 陳情者 江東区     タバコヤベットハウス代表 村山定男外百二十九人 〔要旨〕   つぎのことを実現していただきたい。   1 日雇労働者に対する特別就労対策事業等に関する予算の大幅な増額   2 日雇被保険者の受給資格の緩和措置 〔現在の状況〕   1について    特別就労対策事業は、「山谷対策総合事業計画」に基づき、求人減少期に、東京都が山谷地区等の日雇労働者を雇い入れることを条件に清掃・除草等の事業を発注し、日雇労働者の就労機会の拡大を図っているものである。    近年の日雇労働者の雇用環境の悪化に対応するため、全庁的な調整の結果、平成七年度においては、特別就労対策事業を延べ五万一千人規模で実施したものであり、規模の拡大は困難な状況にある。   2について    平成六年六月二十九日公布の「平成六年法律第五十七号」により、日雇労働被保険者の受給要件の緩和がなされた。   (改正内容)    ・ 印紙保険料として納付すべき枚数が二十八日分以上から二十六日分以上に変更された。    ・ 給付日額が四段階から三段階に変更されるとともに、額が引き上げられた。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件中、第二項は趣旨採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第二一六号の一中、第二項は趣旨採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、六第八六号の二、五日市町横沢入りの保全に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 六第八六号の二 五日市町横沢入りの保全に関する陳情 陳情者 大田区
        関口修 〔要旨〕   五日市町横沢入りについて、次のことを実現していただきたい。   1 自然公園または都民の森として保全すること。    (都民の森の部分について) 〔現在の状況〕   自然とのふれあいへの要望が高まる中で、都は「東京の森林づくりプラン'21」において、多くの都民に親しんでもらう森林づくりについて計画している。   しかしながら、陳情地区については、住宅地として整備する開発計画等があり都民の森として保全することは困難である。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯丸茂委員 この横沢入の保全に関する陳情ですけれども、私も都議会に来て、「蛙が鳴く山の田んぼ」ということで、横沢入のことを写真入りで見せていただいて、大変貴重な自然が保全されている。この本には、谷津田がきれいに整備されている──今、若干状況が違うようですけれども、そういう点では大変貴重な自然が残っている状況にあるわけですけれども、この横沢入の自然環境について、東京都としてどのように認識しているのか、その点、まずお伺いいたします。 ◯小林農林水産部長 横沢入地区でございますが、JR五日市線の増戸駅から終点の五日市駅のちょうど中間に位置いたしまして、前方は秋川が流れているわけでございますが、三方が里山、いわゆる五日市丘陵に囲まれております。そんなことから、周囲の影響を受けにくいということで、大変特殊な気象条件にあるようでございます。  そしてまた、同地域は大変多くのわき水がございまして、そんな関係から、大変貴重な動植物が生息しておるところでございます。したがいまして、大変貴重な自然環境であるというふうに認識をいたしております。 ◯丸茂委員 陳情に、この貴重な自然、特にこのところに住宅開発計画、こういうものが出されてきて、いろいろな調査、検討委員会等も持たれているわけですけれども、この六十五ヘクタールといわれる横沢入、その中でも面積十五ヘクタールに及ぶ低地部があるわけですけれども、そこは大変湿地状になっていて、動植物も凝縮して生存している。  その湿地部と、それにつながる丘陵──今、里山といわれましたけれども、そこが一体となって横沢入の命といわれているわけですけれども、この低地部に、地区説明会の図面等では、中央低地がほとんど残らない、残るのは低地全体の三十分の一にすぎない下の川だけで、これでは、里山、横沢入の自然環境が保全されない、こういう事態にあるというふうに聞いております。  私も、陳情者に直接この陳情の趣旨もお尋ねしたところ、陳情者としてもやはり、ここにもありますけれども、これは都市・環境になるんですか、自然公園あるいは自然観察園あるいは都民の森、そういう形で里山と一体に横沢入が保全される、そのことがこの陳情の趣旨なんだ、そういう点でぜひ残してほしいというお話も聞いてまいりました。  そういう点で、東京都としても、森構想もあるわけで、その一環としてこの問題をどう考えるのか、その点お尋ねしておきたいと思います。 ◯小林農林水産部長 横沢入地区、お話しのようにやはり、あそこ五日市丘陵一体を保全をするということでございまして、ごもっともだと思います。  あそこの地域は、秋川流域の森林の中心地帯でございます。またあの地域は、昔から生活と大変深いかかわりを持ちまして、農用林としても活用されてきた経緯がございます。  そういうこともございまして、私どもがことしの二月に発表しました「東京の森林づくりプラン'21」の中でも、この地域は、自然と触れ合いながら森林と林業を学習できる森づくりを目指しておる、こういうふうにうたってございます。  今後も、こういう観点から、この地域の森林の保全に努力していきたいと考えております。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。  本件は、保留とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情六第八六号の二は保留と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、六第九三号の一、日本の農業と食糧を守り、安全で安定的な食糧の供給に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 六第九三号の一 日本の農業と食糧を守り、安全で安定的な食糧の供給に関する陳情 陳情者 千代田区     全農林労働組合東京地方本部執行委員長里口勤 〔要旨〕   次の事項について、意見書を国の関係機関に提出していただきたい。   1 米の輸入自由化に反対するとともに、主要な食糧は国内で自給する体制を確立すること。 〔現在の状況〕   農産物の輸入自由化問題は、平成六年四月のガット・ウルグァイ・ラウンド交渉の各国合意による条約調印、ならびに同年十二月の条約批准承認によって、一応の決着をみた。   この結果、関税以外の貿易障壁が取り除かれた。   しかしながら、米は関税化の対象外となったものの、ミニマム・アクセス(最低輸入義務)が課せられ、平成七年四月から輸入が実施されているところである。   従って、都は、米の輸入自由化に反対する意見書を国の関係機関に提出する状況ではないと考えている。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、これより採決を行います。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯望月委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第九三号の一は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、六第九六号、中小企業開業資金融資要項の融資対象資格緩和に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 六第九六号 中小企業開業資金融資要項の融資対象資格緩和に関する陳情 陳情者 西多摩郡瑞穂町     大統領会代表 角田豊治 〔要旨〕   平成七年度における中小企業開業資金融資要項(開業)は、融資対象資格者の範囲を次のようにしていただきたい。   1 許認可等を要件とする事業(個人又は法人)の開業に当たって、「一身専属性のある資格(例えば、医師、特許法に基づく登録を受けた技術を有する者等)」を必要としない者も経験年数のいかんにかかわらず、融資対象資格者とすること。   2 開業の許認可等に当たって「一身専属性のある資格」を必要とする場合であっても営業主自らが有資格者であることを絶対要件としないこと。 〔現在の状況〕   1について    法律等に基づく許認可を要件とする事業を開始する場合に、事業の許認可のみをもって融資の対象とすることは、事業の確実性などの面から金融機関の協調が得られにくい状況にある。   2について    平成七年度において、近年の開業率の低下、産業の空洞化に対応し、創業支援を進めるため、東京都中小企業創業支援融資(開業資金融資から名称変更)の融資対象に、新たに、所定の経験・資格条件を満たす者を雇用あるいは、その者と共同してその事業を創業しようとする者を加えることとした。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯丸茂委員 二、三お伺いしておきたいんですが、開業資金融資制度ということで、現在は創業支援融資と名称も変わって、融資条件も若干変わっておりますけれども、この陳情にある、法律等に基づく許認可を条件とする事業、これはどのような事業を指すんでしょうか。 ◯長谷川商工振興部長 ただいま丸茂先生からお尋ねございました、事業を営むに当たりまして許認可等を要件とする事業でございますけれども、例は多数ございますので、その一例を申し上げますと、例えば、飲食業、喫茶店ということで、これらにつきましては、食品衛生法によります保健所の許可が必要となります。それから建設業、これも建設業法に基づきます都の許可が必要になります。それから自動車運送業でございまして、これは道路運送法によります陸運局の許可が必要になりまして、これらが今ご指摘がございましたようなケースの一例でございます。 ◯丸茂委員 この貸付条件に、経験年数のいかんにかかわらず融資対象資格者としてほしいというような陳情にもなっているわけですけれども、経験三年だとか五年だとか幾つか条件があるわけですけれども、それらの根拠ですね、その条件はどういう考えからあるのか、お聞かせ願います。 ◯長谷川商工振興部長 ただいまのご質問でございます。新規開業につきましては、これは創業というふうにいいかえてもよろしいかと思いますが、その性格上、事業の確実性等の面から、やはり、始めたばかりの事業でございますので、いろいろリスクが大きく、現在の都の融資制度の中で、金融機関との協調ということが前提になっておりますけれども、その金融機関の協調が得られにくい状況でございます。  そして、これは単に金融機関の事情ということばかりではない面が含まれておりまして、結局、こういった案件でリスクが顕在化いたしまして返済がされませんと、現在の仕組みでは、最終的にはその一部につきまして都民の負担というものが強いられるということがございます。したがいまして、そういった両相反する要請の中でどういった要件を満たすか、求めるかということになりまして、私どもとしては従来から、事業基盤の確立のめどがつくということがまず必要なのではないかと。  さて、それでは、そういった事業基盤の確立のめどをつけるということにつきまして、具体的に三年とか五年とかというようなご指摘がございましたけれども、これにつきましては、景気のサイクルというような、目まぐるしく変化いたします昨今の経済情勢の中で、その業種につきましての技術や知識を習得する等で、事業を始めて基盤の確立のめどがついたというふうにいえるために十分な期間として私どもは必要だというふうに考えているわけでございます。  しかしながら、この点につきましては、経済情勢の変転の中でより柔軟な対応を図るべく、昨年度に、近年の開業率の低下、産業の空洞化に対応いたしまして、創業支援を進めるという目的のもとに、開業資金融資から創業支援融資というふうに名称を変更いたしますとともに、新たに、五年以上の経験者や、法律に基づく資格要件を満たす者を雇用する、ないしは、その者と共同して事業を創業しようというような者を追加いたしました。  この結果、こうした場合に適合いたしますれば、みずからが同一企業に継続して三年以上勤務していない場合であってもこの融資を使うというような場合が可能になった次第でございます。 ◯丸茂委員 例が妥当かどうかわからないんですけれども、先ほど、法律に基づく許認可の条件という中では、保健所の認可を受ける飲食業だとか喫茶店だとか、幾つか事例も挙げていただいたんですけれども、最近、リストラ等でサラリーマンが会社をやめる。思い切ってラーメン屋さんだとか、最近お好み焼き屋さんも町の中に出てくるわけですけれども、そういう思い切った転職ですね。それから、これから新しい事業をやっていくとなると、今までの経験は経験なんだけれども、直接継続性というより、新たな事業の展開というようなことも考えられますし、それがスタートしてからやはり一定程度見通しが見込めるということであれば、そういう方たちにも積極的にこの資金が利用できるという条件緩和は必要じゃないかというふうに考えるわけですけれども、そういう考えについてはどういうご見解を持っているのか、お伺いしておきたいと思います。 ◯長谷川商工振興部長 ただいま先生からご指摘がございましたようなケースも含めまして、この融資というものは、都の財政でつくりました融資でございますので、なるべく広く都民の皆さんにご利用いただくというのが本旨だろうと思っております。  しかし他方、先ほど申し上げましたとおり、融資ということの性格上、どうしてもその事業の確実性等におきまして不十分なものがございますれば、その面で逆の負担を生ずるという現実もございます。  したがいまして、その両方の相矛盾するといいますか、相対立する要請の中で、他方、財政の大変厳しい中で、私ども、できる限りの改善というものを模索しておりまして、昨年に、先ほどご紹介いたしましたような一つの改善ということをさせていただいたわけでございまして、そういった意味で、現時点におきまして、これに加えるというような新たなことを考えるということにつきましては、残念ながら考えていないというのが実情でございます。 ◯丸茂委員 長引く不況で大変厳しい経済情勢の中でどうやって生き抜いていくかという点でやはり、これからこうした創業資金を利用して立ち上がっていくというケースがふえていくかというふうに思います。そういう点で、引き続き、この趣旨に沿ってぜひご検討いただきたいという要望を述べて、終わります。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、保留とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情六第九六号は保留と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、七第六二号の一、野宿を強いられている労働者の対策推進に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 七第六二号の一 野宿を強いられている労働者の対策推進に関する陳情 陳情者 荒川区     新宿連絡会 山崎郁夫 〔要旨〕   都は、野宿を強いられている労働者の対策として、次のことを実現していただきたい。   1 就労対策を積極的に行うこと。 〔現在の状況〕   1について    路上生活者に対する就職あっ旋については、職業紹介の一般原則に基づき、他の求職者と異なることなく、働く意思と能力があり、仕事の紹介を希望する者に対して、公共職業安定所の窓口において職業相談を実施し、職業紹介を行っているところである。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、これより採決を行います。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕
    ◯望月委員長 起立少数と認めます。よって、陳情七第六二号の一は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、七第七三号、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」の厳格な執行に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 七第七三号 「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」の厳格な執行に関する陳情 陳情者 大田区     原田正幸 〔要旨〕   建設労働者を救うために、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」の厳格な執行をしていただきたい。 〔現在の状況〕   都においては、関係機関との連携のもとに、建設労働者の雇用の改善、能力の開発及び向上、福祉の増進等を図ることにより、雇用の安定に努めている。   なお、公共職業安定所における相談・苦情については、利用者の立場に立って誠意をもって対応している。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情七第七三号は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、八第三四号の一、最低生活保障基準に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 八第三四号の一 最低生活保障基準に関する陳情 陳情者 豊島区     東京地方労働組合総連合議長 小松崎栄 〔要旨〕   1 次の事項について、政府に意見書を提出していただきたい。    (1)全国一律最低賃金制を法制化すること。    (2)最低賃金を社会保障、自家労賃などの最低賃金基準にすることを明記すること。 〔現在の状況〕   1(1)について     地域別最低賃金は、昭和五十三年の中央最低賃金審議会答申により目安制度が導入され、中央最低賃金審議会から地方最低賃金審議会に対し、地域の賃金実勢や消費生活水準の違いなどの実情に応じて全国各県を四つのランクに分けて最低賃金の金額、改定引き上げ額の目安を示すことで、全国的な整合性を図っていることから、全国一律最低賃金制の法制化を要望する意見書を提出することは困難であると考える。    (2)について     最低賃金制の趣旨は、労働者の不公正な低賃金に対して、国が積極的に介入して賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善などを図るものであり、社会保障としての最低賃金基準を示しているものではなく、意見書を提出することは困難であると考える。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。 ◯丸茂委員 日本には全国一律最低賃金制というものがなくて、今、業種別あるいは地域別に最低賃金制があるわけですけれども、この地域別あるいは業種別の最低賃金も、一般の平均賃金の三割という低さに抑えられているといわれています。  ちなみに、東京都から、毎月の勤労統計、一般給与所得者の賃金を見ますと、平成七年度、九五年度ですけれども、四十六万二千五百三十円。東京の最低賃金ということで、これは産業別最低賃金──むいろいろあるんですが、それを押しなべて最低賃金として日額五千百四十四円ですね。これは、三十日丸々働けないわけですけれども、それにしても十五万円強という点では大変落差が大きい。また、この低さが、日本の労働者の全体の賃金を引き下げる役割も果たしているという点で、逆に日本の低賃金構造をつくり出しているという点でも問題だというふうに思っています。  特に、大企業は今リストラで大変正規従業員を減らす。そして、アルバイトあるいはパートタイマー、非正規の、非常勤の従業員をふやしていくという点では、低賃金、無権利の労働者がふえている状況にあります。  こういう点では、労働基準法に公的拘束力を持った全国一律最低賃金制確立はどうしても必要だ、そのことが労働者全体の賃金引き上げにもつながるという点で、ぜひ、政府に意見書を出してほしいという陳情を採択して、議会としてもやはりこの趣旨に沿って国に物をいっていくことが大変大事だということで、意見といたします。 ◯仁木委員 今、例えば都なんかの場合、新入者がいますね。給料というか、大体どのくらいになるんですか、概算で。アバウトで結構ですが。 ◯安樂総務部長 手元に資料がなくて、概算になりますが、大卒で大体二十万ぐらいということでございます。 ◯仁木委員 そうしますと、二十万からもろもろなものを引かれますよね。そうすると手取りというのは十二、三万になってしまう。 ◯安樂総務部長 大体諸控除が二割ぐらいというような感じでございます。 ◯仁木委員 そうすると、今、大体、生活保護を受けている人が十五万ぐらいだ、こういうことになりますと、働かないで十五万円もらって、働いて十六万もらって、そんなに変わらないということになってくると、これは不平等。むしろ、これ高過ぎるぐらい。今、物価が非常に落っこっている。そして、日本の労働賃金というのは少し高過ぎているというようなところまで来ているところが現にあるわけですね。特に中小企業は今、経営が大変なんです。むしろ経営者の方が泡を吹いているというところが多いわけでありまして、働かないで物をもらう。働いて一生懸命稼ぎ出す、こういう精神を持っていかなければならない時代でありますし、そういう意味からいたしますと、これに対して私たちは反対をしていきたいと思います。 ◯望月委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。  本件は、起立により採決いたします。  本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯望月委員長 起立少数と認めます。よって、陳情八第三四号の一は不採択と決定いたしました。      ───────────── ◯望月委員長 次に、八第八三号、労働者災害過労死認定に関する陳情を議題といたします。      ………………………………… 八第八三号 労働者災害過労死認定に関する陳情 陳情者 中野区     小川美嘉 〔要旨〕   1 次の事項について、関係機関に働きかけていただきたい。    (1)労働者災害過労死認定基準を抜本的に改正すること。    (2)企業から提出されて資料の開示を行うこと。 〔現在の状況〕   過労死の労災保険は、国の専管事項として、具体的には労働基準監督署長が国の認定基準に基づいて行っている。   都においては、働き過ぎによる過労死の防止を図ることが重要であると認識しており、時間短縮やゆとり創造の事業を通じて、過労死の未然防止への取組を進めている。   1(1)について     国は、労働災害に関する訴訟等の動向を踏まえ、     1)平成七年二月一日付基発第三八号通達で、過労死の認定基準となっている「脳欠陥患者及び虚血性心疾患等の認定基準」を改正した。また、平成八年一月二十二日付基発第三〇号通達により「不整脈による突然死等」を労災補償の対象とするなど、過労死の労災適用への認定緩和を図っている。     2)労災適用の審査遅延に対処するため、不服審査制度の改善も行われた。平成八年五月二十二日付労働省法律第四十二号により労災保険法は、 不服審査請求から三か月を経過しても審査官が決定できない場合、審査会に再審査請求できる。  再審査請求後三か月を経過しても裁決がない場合、処分取消の訴えができる。と改正され、平成八年七月一日から施行されるとともに、あわせて、審査事務処理体制の強化が図られている。     以上のことから、都としては、今後の法改正等の動向を見守ってまいりたい。    (2)について     過労死の労災保険に係る資料等について、その取扱いについては、労災の認定が国の専管事項であり、非公開となっている。      ………………………………… ◯望月委員長 発言を願います。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  本件は、保留とすることにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯望月委員長 異議なしと認めます。よって、陳情八第八三号は保留と決定いたしました。  以上で請願陳情の審査を終わります。  以上で労働経済局関係を終わります。  なお、本日審査いたしました請願陳情中採択と決定いたしました分で、執行機関に送付することを適当と認めるものについては、これを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後二時二十五分散会...